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統計はデータを集めるだけではない

統計学に関しての解説

ここでは、押し引きを考える際に統計は必須であることに関して説明します。

麻雀に関してのみ知りたい場合は本題まで読み飛ばしてください。

麻雀で用いる統計とは何か?

コインを投げて表になる確率を計算すると2分の1です。実際に投げてみると、4回連続で表になることもあります。2分の1というのはあくまでも無限回コインを投げたときその値になるということです。

計算ができない時などに、データから2分の1の解を近似的に得ようとするときに用いるのが統計です。真値に近いデータ数が多い程、誤差が減ります。

要するに、統計は不確定な要素を調査することにより数量で把握することです。

現実の統計は難しい

例1:

麻雀の日本での人口の統計は2000万人、3000万人と言われている。

半数以上は点数計算が出来ない。これを人口と呼ぶべきではないかもしれません。

 

例2:

犯罪に関するニュースが多いため、現在の日本の若者は危険である。

実際に世界の犯罪のデータを見ると、世界で一番安全なのは現在の日本の大学生です。日本は昭和時代のほうが犯罪は少なかったという人が多くいますが、それは間違いです。過去に比べると罪の重さや軽さにかぎらず、犯罪は減少し続けています。その理由ですが戦争後の日本より今のほうが豊かになったからです。

最近センセーショナルの事件が多いので、ニュースで犯罪に関して多く取り上げられます。そのときテレビで報じられた犯罪数のグラフは過去より現在のほうが増えていました。日本の犯罪率の統計となぜ違う答えなのでしょうか?そのグラフをよく調べてみると犯罪が短期的に多かったときのデータが使われていました。

現実の統計は難しい(2)

例:

日本で犯罪件数が最も多いのは東京であるという統計があると、日本で東京が最も危険な街である。

東京は最も人口が多いのでそれに比例して犯罪件数が多くなるのは明らかです。危険な地域を知るには犯罪件数だけではなく、犯罪率も調べなければなりません。

またタバコの禁止に関してですが、テレビで禁止したら「困るのか、困らないのか」といった質問をしたら、その結果は困る人と、困らない人と答える人の人数は同じという結果になりました。

このケースもタバコを吸う人と、吸わない人の人口比率を考慮しなくてはなりません。
実際に禁止したら禁止地区の飲み屋、パチンコ店、麻雀店の営業を難しくなります。

本題

麻雀は状況変化により最良の選択が常に変わります。

例:

100%で3900点の和了か、50%で9600点の和了はどちらかが有利なのかを考えますと、通常は後者のほうが有利となりますが、4人共の点数が原点のラス前であると仮定したら、前者が有利となります。

南場に入ってから8000点をあがると東場の8000点以上の価値があります。オーラスに近いほど価値があがります。その価値は馬などのルールによっても変わります。またあがると局が進むのでそれも計算しなくてはなりません。

このように状況の影響を含めて統計調査(不確定な要素を調査することにより数量で把握すること)は現実的ではないことがわかります。

では、どうすればいいのでしょうか。

私の考えでは、自分より高段位の人のデータを複数集めて調査するのが最も現実的な方法だと思います。

たったの1半荘だけでも高段位者は、その人より下の段位の人ではまったく理解できない選択をすることが多々あります。ここで、高段位者を下手と思ってしまったら自分の向上を止めてしまいます。成績がかなり上なのは自分とは違う打ち方をするからです。その場合、まだまだ高段位者に比べてはるかに劣るということです。

高段位者が用いた戦術とその思考まで読み取れて、やっとその戦術が良いか悪いか判断できる段階となります。

また、牌効率において異なることが多い場合は人を変えてみて研究すべきです。ただ、牌効率と押し引きが悪いと勘違いすることが多い高度な戦術があります。その一つとしては「差し込み」です。

押し引き(リーチ、ダマ、放銃率)の技術の向上

放銃が少ない人のデータは高成績であることがほとんどですので、放銃率は勝率と密接に関わることがわかります。

リーチ率が高いことも高成績にするためには必要です。リーチを増やしダマを減らすとデータからもわかりますが放銃率が確実にあがります。反対に、リーチを減らすと和了時の平均得点が下がってしまい1位率が減少します。

これらをまとめますと、押し引きの技術の向上が重要であることがわかります。

今のところ最善手というものはまだわかっていません。まったく新しい戦術が考え出されないかぎり、成績のよい人のデータを分析することと、その人の考え方を学ぶ以外に方法はありません。

具体的な例としては、オンライン麻雀で高段位の人を観戦する。また、高段位の人のブログを読んで考え方を覚えるなどです。

その際には相手の実力によって成績が変わることも考慮した方が良いです。上級者はあたり牌を簡単に打たないので流局が増えています。それは守り重視の麻雀を打っている証拠です。成績が良い人しか集まらない卓で一番成績の良い人の方が信頼できます(参考:確率分布と統計)。

むすび

データを単純に調査するだけでは押し引きの向上に役立つかはわからない。

押し引きの改善をするときは、勝敗に最も関わる和了率と放銃率と平均和了点を自分より高成績の人に近づける。

本質を捉えることが重要であり、細かな戦術はあまり意味がない 。

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