このコンテンツは文字が多く、初級者には余りためにならない内容です。
数多く麻雀を打っているにもかかわらず、上手くなるのが遅い人がいます。上手くなる人に共通しているのは明らかな失敗をした状況を忘れないことです。 その状況を次の例を使って説明します。
例:東場の親で4巡目に場に0枚切れの北待ちのチートイ赤ドラをテンパイ
この条件でリーチをするべきかどうかを判断してみます。
まず、ダマにしたら大体あがれます。ロン4800か、ツモ9600の収入となります。同状況でリーチしても大体あがれます。(あがり易さに関しては北待ちだからダマと余り変わりません。)ロン9600か、ツモ12000の収入となります。さらにこの点数に裏ドラや一発が加わります。当然あがれる可能性が余り変わらないのであれば、リーチが有利です。
その考察を覚え、次からは必ずリーチをかける人が勝つ人、かけない人が勝てない人です。ただし条件がほとんどないことを理解していることが前提です。このような状況を何度も経験することにより、統計におけるデータがない細分化された範囲の押し引きの判断と牌効率が身につきます。
ここで問題となるのは、自分の考察自体が間違っているケースです。麻雀に限らず一般的に間違えるパターンで多いのは、特殊な条件つきの時に考察したことを覚えてしまうことです。基本的ことが完璧にできるようになってから行ってください。たとえば、南2,3局の点棒状況や巡目、通常時ドラを忘れるような場合はまだ早いと思います。
また、期待収支が大きく変動する選択のみを記憶する必要があります。上級者になり、一定のレベルを超えると上達するのが遅くなります。それは麻雀は天文学的数字の状況に応じて正しい選択が求められますが、人の記憶には限界がありますし、打つ回数も多くて1日に16ハンチャン位だからです。
例:
ピンフに変わる可能性がある役なし単騎待ちの聴牌をしたときの選択は?
ドラがいらないとき切るタイミングは?
このように期待収支に余り影響しないものや、どれくらいかわからないケースを含めたら数え切れません。
多くの麻雀の戦術書は昔からある戦術にあまりに執着しすぎています。私もこれらの本を複数購入しましたが、あまりためにならない本がほとんどです。 なぜなら、精度を明記していないことや、期待収支の差を考慮していないものがほとんどであり、参考にすべきところと、そうでないところの区別がつかないからです。詳細はこちら
戦術書の守りに関しての項目だけでも、「スジ、壁、裏スジ、またぎスジ、全体の捨て牌から待ちを読む。相手の役を読む。鳴きへの対処、ダマへの対処‥」など様々な内容があります。 その読みの精度をはっきり明記していなければ、その戦術書の価値は低いといえます。
スジなど重要性が明らかなものを除くと、重要度の確証を得るためには、オンライン麻雀などの大量のデータが必要になります。データから実際にその待ちのなるのかどうかを確認すれば精度がわかるという仕組みです。 次の表は読みの精度を表したものです。
超重要 | スジ、場の枚数、鳴きへの対処 |
重要 | 壁 |
重要ではない | 捨て牌の順序から待ちを読む、相手の役を読む。 |
あまり意味がない | 裏スジ、またぎスジ、ダマへの対処 |
参考:下記で紹介するネット麻雀の数十万局のデータをまとめた科学する麻雀
南3局は打ち方により、オーラスの得点条件が定められます。
例:かなりの点差をつけたトップ目の南3局の打ち方と、点数がない場合
オーラスの攻守を有利にするために、できるだけ場を速く流せる打牌選択をします。役ありなら愚形の部分は鳴きます。そのとき何フーロまでして大丈夫か判断する必要があります。逆に点数がない場合は、オーラスマンガンツモでトップという条件にしたいところです。
オーラスとラス前はかなり期待収支に影響するので正しい選択が求められます。
最速・最短の聴牌ができるか。
牌効率の向上が一番です。勝ち方で一部紹介しています。赤入りの現代麻雀では少しでもテンパイが早いほうが有利です。なぜなら従来の戦術書では牌効率より打点やあがりやすさなどのバランスを重要としてきましたが、現代のドラが多い麻雀の場合はとりあえず愚形でもいいのでテンパイを目指した方が和了率が高まり、その結果として放銃率が下がるからです。
鳴きをつかいこなせるか。
鳴くべき牌の鳴き忘れは絶対にしてはいけません。そのためには常に一回のミスもしないという意識が必要となります。
基本的なミスをしていないか。
麻雀を長く打っている人でも本当によくミスをします。特に手牌が悪い時に多いようです。1000点の放銃も順位にかなり影響するので、つまらなくてもしっかり打つことも重要です。
難しい選択は成功と失敗それぞれあるので、たいして影響しません。麻雀の雑学をいくら覚えてもうまく使いこなせないと意味がないです。
確率統計学からは期待収支が最も高い打牌は一つであり、それを選ぶことが正解です。複数ある場合は間違えている答えがあるということです。プロでも難しい選択は正確な答えがだせないのが現状です。計算してみなくてはわからないのです。
偶然性が高い麻雀では仕方ないです。正解を出すなら、無理な話なのかもしれませんが、ほぼ同じ状況で何百回も打ったデータをとる必要があります。例えばスロットには期待値がありますが、コンピュータにより人が一生かけても回せない数をシミュレートして期待値をだします。
よって、判断が分かれるような問題は参考程度にして、基本的なミスを減らす、牌効率、他面待ちに強くなるなどを勉強した方が効果が高いです。また、ネット麻雀で高成績の人のブログなどを読むと最新の考え方が分かります。または、観戦して打ち方が違った場合、検討するのも重要です。
リーチをかければ8000点や12000点であがれるかもしれません。逆にあがれなくなり放銃につながるかもしれません。
仮にまったく同じ状況をダマで10000回、リーチで10000回打ったとします。和了、流れ、放銃がそれぞれあります。仮にその平均の結果のデータをとってみたら、ダマで3000点、リーチで5000点の期待値であったとすると、当然リーチが正解となりますが、あくまで期待値であってリーチしたことによってダマよりマイナスになった局もあることを忘れてはいけません。 ただそれは決してミスではないんです。毎回、完璧な正解を当てる不可能だからです。
データを集めるしか方法はありません。自分で集めない方は新 科学する麻雀(リンク先のamazonで購入できます)を利用するのが一番です。
科学する麻雀はネットの数十万の東風戦のデータから最も期待収支が変動する判断を3つに分け、どうするべきかを計算しています。データの量から正しい打牌の答えを導いています。
この本の筆者は当時30万人位が参加するネット麻雀で高水準な成績を長期間だした人ですので、1つの雀荘のトップ雀士よりはるかに強いかもしれません。
科学する麻雀の勝ち方は、例えば状況によらずある一定の条件での平均のうち、成功9失敗1とすると、毎回成功9を選べるようにするということです。
捨て牌数などの情報が加わり、状況や経験から今まで正解だと思っていた選択が明らかに失敗であることがわかることがあります。そうして失敗1を限りなく減らすことができればさらに勝てるようになります。
他には、序盤、中盤、終盤に分けて最も優れている選択を選べるようにする。
他家の鳴きの数と巡目とシャンテン数から降りるかどうか判断するシステムを構築する。
細かく分ければまだ研究分野は数多くあります。麻雀研究はまだまだ足りていないのが現状です。
良い場合と悪い場合などは主観だけで、調査結果が書かれていない戦術書はあてにならない。実際にデータとして成績が良い人の考えを重視する。または、観戦して打ち方が違った場合には検討する。
細かい戦術は効果があまりなく、基本的なことを確実に使いこなせないといけない。また、どちらの選択が正しいかなどを議論しても答えをだせないため、あまり意味はない。はっきりわかるものが重要である
麻雀はまだ数学で解明しきれていないため、今の段階では思考停止はすべきではない